高校時代の読書
自分が高校生だったころの読書で印象的なのは、夏目漱石や谷崎潤一郎など文学的名作をよく読んでいたことと、技術的・科学的な本を少し背伸びをしながら読んでいたことです。
文学的名作については、自発的に読んでいたというより、読書推奨に力を入れておられた国語の先生に無理やり読まされていた部分があります。読解力や語彙力が不足していたこともあり、正直文学的名作を読み解けていたかというと、とほんど意味が分からないまま字面を追いかけていたように思います。
しかしながら無理やりにでも読書をしていたおかげで、現代国語の成績は非常によかったですし、後に理系に進み学術論文を書くに至ったとき、高校生時代の読書で培った国語力が非常に役に立ったと思っています。
技術的・科学的な本については、これもかなりせいいっぱい背伸びをして、半分くらいしか意味を理解できていなかったかもしれませんが非常にわくわくしながら読んでいた記憶があります。ブルーバックスとか科学雑誌とかですね。なかでも印象的なのは、『決定不能の論理パズル―ゲーデルの定理と様相論理』です。
- 作者: レイモンドスマリヤン,長尾確,田中朋之
- 出版社/メーカー: 白揚社
- 発売日: 1990/11
- メディア: 単行本
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この本は通っていた高校の図書館にあり、その本をたまたま手に取り、冒頭にあった論理パズルを夢中になって一つずつ解いていったのは良い思い出です。
論理パズルでは、嘘しか言わないヒト、本当の事しか言わないヒトなど幾種類かの人物が登場します。それぞれが嘘しか言わないなどのルールに従って発話するなか、真実はなんなのかを論理的に読み解くパズルです。最初は簡単な真偽値だけで説明できる命題論理の世界でのパズルなのですが、ルールがだんだん複雑になっていき、様相論理の世界に自然と向かっていきます。
高校時代では様相論理やゲーデルの不完全性定理の方まで理解して読み進めることはできず、ほぼ論理パズルを解き終えたところで満足して読了としましたが、このときの印象が非常に心に残っています。そしてこのとき全く予想だにしていませんでしたが、その後大学・大学院で論理学を学び、この分野で博士号を取得するまでに至りました。
後から振り返ってみて、様相論理とか結構とんでもない本を読もうとしていたな、とは思わなくもないですが、背伸びして読む高校生の読書って意外と理解力も高いですし、将来に思わぬ影響を与えるものかもと思いました。
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高校時代の自分に読ませたい本
そういうわけで、特に高校時代後半の読書は将来像にダイレクトに響く部分もあり、ギリギリ背伸びして理解できる良書、刺激的な本に是非チャレンジしてほしいものですね。
今から振り返ると、当時の自分に読ませたい本、そしてAI・情報系に進みたいと思っている今の高校生に是非チャレンジしてほしい本として以下を挙げたいと思います。
言語処理のための機械学習入門
タイトルは『言語処理のための』とついていますが、特段言語処理に特化しているというほどでもなく、モチーフとして言語処理が取り上げられているという感じです。
機械学習で用いる最も基本的な定理を丁寧な式変形を示して説明していきます。高校数学でならう確率統計より少し拡張された概念が用いられていますが、これらは調べたらギリギリ独習で理解できるレベルかなと思います。
- 作者: 高村大也,奥村学
- 出版社/メーカー: コロナ社
- 発売日: 2010/07/01
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高校数学では、なんのために習っているのかよくわからない数学が、この本に触れると工学分野の超便利ツールとして実際使われているということが見えてくるのではと思います。勉強のモチベーションも上がると思いますよ。
RESTful Webサービス
高校生だとまだプログラミングは少しできるけど、大規模な設計、スケーラブルな設計というのはまだ考えたことがないかもしれません。
でも超デッカイプログラム作ってやるぞとか思いませんか。ここはぐっと背伸びして、アーキテクチャの世界に触れてみると、大きくその後の成長が違ってくると思います。
ここで挙げた『RESTful Webサービス』は、WWW(World Wide Webですよ)のスケーラブルアーキテクチャを学ぶところが味わいどころです。
単にREST APIのお作法本だと思っている人も多い気がしますが、ポイントはそこではありません。なぜそのお作法なのか、なぜそうするとスケールするのか。その神髄に触れると、ワクワク感で魂が震えます。
- 作者: Leonard Richardson,Sam Ruby,山本陽平,株式会社クイープ
- 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
- 発売日: 2007/12/21
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とまで思えるかというと、高校生では正直難しいのかもしれない。でも多感な時期に色々なものに触れるといいと思いますし、分かった気になって語っていたら、そのうち本当にわかりますよ。
ふつうのコンパイラをつくろう
プログラミングが少しできるようになると、コンピュータってこういうものか、という一端が分かった気になってきます。ゲームを作ったり、ちょっと便利なアプリを作ったりできますよね。
そうなったら次のステップに進むとよいと思います。
良いステップアップの一つが、コンパイラを作ってみることです。プログラミング言語を作るっていうことですね。プログラミング言語をいくつか学んでいくと、なんでこうなっているんだ、とか色々思うようになります。
そこで自分言語ですよ。自分で言語を作れちゃうんですよ。なにか目的に特化した面白い言語を作ってみましょう。スクレイピング特化でもいいですし、数学的な計算に特化でもいいですし、化学特化とか面白い発想のものも自由に作れます。もちろん汎用の俺の考えた最強の言語を作るのもいいです。
ふつうのコンパイラをつくろう 言語処理系をつくりながら学ぶコンパイルと実行環境の仕組み
- 作者: 青木峰郎
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2017/03/30
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そうすると、既存言語を作っている人たちの苦労や苦悩、選択のあり様が見えてきますし、プログラミングの腕は数段上がりますよ。
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今回のターゲット語彙
さて本題に入りましょうか。英単語学習サイトですからここからが本題です。今回ターゲットにする単語は以下です。各単語をクリック(タップ)すると、意味などが表示されます。
各語彙の覚え方
初めての方は、こちらでおすすめの記憶法をぜひご確認ください。
literature [líṭərətʃ`ʊɚ]
(名) 文学、文芸、著述、文献
modal [móʊdl]
(形) 形式上の、形態上の、法の、様相の
もうダルいので形式上の動きで済ませる
もうダルくなってきたーので気持ちを入れず形上の動きで済ませるイメージ。
何をかは、それぞれのイメージで☺
architecture [άɚkətèktʃɚ]
(名) 建築、建築様式、建築学、構成
compile [kəmpάɪl]
(動) (資料をまとめて)編集する、機械語に翻訳する
コンパ要る?編集する作業明けの気晴らしに
編集作業は資料をかき集めて大変なので、作業明けの気晴らしにはコンパがいるかな?と気を遣う編集長をイメージ。
specific [spɪsífɪk]
(形) 特定の、具体的な、明確な
酸っぺーし、引くくらい辛いとか具体的な特徴がないと食材は売れない
食材を売るには特徴づけが必要。酸(す)っぱい上に引くほど辛い梅干しなど特徴づけが肝心です。
通常のプログラミング言語はだいたいなんにでも使える汎用(general purpose)の言語ですが、何かの用途に特化した言語をdomain specific languageといいます。ある領域に特化した言語、ということですね。たとえば綺麗に文章を書くLaTeXなどは、文書作成、論文作成に特化したdomain specific languageです。
english.gakumon.jp
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